名城大学理工学部応用化学科
高校生のための応用化学科のご紹介
生体の環境順応力をめざして 小澤理樹 准教授

賢くなったり筋肉がついたりするのは、金持ちにお金が集まるようなポジティブフィードバックの働きによるもので、階層構造を生み出し、環境適応や進化を促します。逆に、ネガティブフィードバックはばねのように復元力として働きます。生物も、この2つがアクセルとブレーキとなって、恒常性を維持しながら進化するのです。

このようにバランスを保ちながら変化するシステムは、沢山のパーツの可変な組み合わせ、つまり相互作用のネットワークによって現れ、抵抗が小さくなるように変化していくことが分かってきました。

そこで、勝手に階層構造を生み出し、環境に合わせて微細構造を変えて盛衰し、多少の修復能力も持つようなものを作ってやろうと、血管網や脳神経回路を手本にしたネットワーク作りに挑んでいます。高分子ゲル、界面活性剤、コレステロール、カーボンナノチューブなど使えるものは何でも使い、物理や生物の知識も総動員して取り組んでいます。

生体の知恵に驚かされつつ、夢は大きく小さなことからコツコツと。

擬似細胞からできたゲル中に、赤い溶液を注入してできたネットワーク
小澤 理樹 准教授 東京大学大学院応用化学専攻にて博士号を取得後、豊橋技術科学大学知識情報工学科、ウルム大学(ドイツ)、ナノ炭素研究所、キール大学(ドイツ)、ヴルツブルク大学(ドイツ)を経て、2009年から名城大学に勤務。 [専門]ナノ材料科学、物性科学、複雑系科学(勉強中)。[趣味]旅行、スキー、登山、フラメンコギター。
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化学構造を見極めることで分子の動きを征する 田中正剛 准教授

タンパク質は生物が生きる上での多くの反応に関与しています。たとえば、呼吸で酸素を取り入れたときにはタンパク質が酸素を運び、細菌が侵入したときにはタンパク質が細菌を破壊してくれます。接触するさまざまな物質に対して、タンパク質は自分の体を立体的に動かすことで、機能のONとOFFを切り替えているのです。

タンパク質の正体は、たくさんのアミノ酸が順番につながった高分子です。私たちの研究室では、タンパク質と同じアミノ酸をつなげたペプチドを合成し、分子と接触したときの立体構造変化に着目しています。ペプチドもまた接触する分子の構造が少し違っているだけで立体的に動きます。

化学構造の組み合わせ次第でゼリー化が起こったり、二層分離が起こったりさまざまな表情を表すところがペプチドの興味深い一面です。

ペプチドと混ざっている分子の構造によってゼリー化したりゼリーが解け出したりします。ペプチドが分子の化学構造の違いを識別して立体構造を切り替えていることがわかります。
田中 正剛 准教授 福岡県西南学院高等学校卒業。 1997年九州大学工学部卒業。2002年東京工業大学大学院総合理工学研究科、博士(工学)。近畿大学分子工学研究所博士研究員、名古屋工業大学助教を経て、2014年から現職。 [専門]高分子合成、分子組織化学。 [趣味]テレビ番組や映画の雑視聴、野球観戦ならSBH。
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